Salesforceによるプロトタイピング
実はこの「要件定義にプロトタイピングを用いる」という考え方には、Salesforceの特長がとても効果的に機能します。Salesforceは「データを定義すると画面・ロジックが自動的に作られる」という、「データドリブン」な開発手法を基本としています。
Salesforceではデータベースのテーブルと項目(Excelで言うところの「シート」と「列」)を設定画面から定義すると、その情報を表示する画面、作成・編集する画面、作られた情報を一覧する画面や、項目に合わせた入力チェック・フォーマットなど一部のロジックが自動的に作られます。更に並び順の変更や値の自動更新なども追加の設定で行えます。
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↑これを定義すると ↓これが自動的に作られる
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つまり、業務データを決めてしまえばシステムの基本的な機能である「記録する」「探す」「表示する」が作れて、最低限の業務ができてしまう(半分出来たようなもの、と表現することもあります)ということです。
要件定義のプロトタイピングと相性が良い理由は、「『使う人』は画面や機能をイメージできなくても、業務データならイメージできる」ということです。システムを新規導入するならば紙の申請書の各項目、Excelでやっていたならそのシート、列・行項目、システムの入れ替えならば元のシステムの入出力を参考にして、各役割のユーザが記録する/利用する情報を決めていけばよいのです。
Salesforceならばそれを決めた時点で画面ができますので、「○○さんがこの情報Aを作ったら、××さんがそれを見て情報Bを作る」といった会話と共に、実際に画面からデータを入力し、それを探し、表示してみればよいのです。これほど分かりやすい業務の説明はありません。
今回は一般的な要件定義の問題と、それを解決する手段の一つ「プロトタイピング」とSalesforceにおけるプロトタイピングについてご紹介しました。
次回は、要件定義にプロトタイピングを用いたSalesforceの開発プロセスの一例をご紹介し、Salesforceで生産性の高い開発を行うための秘訣に1歩迫っていきたいと思います。
お楽しみに!